2005-09

第9話 『紙の上のフィールド』

 夜のバーガーショップで3杯目のコーヒー。テーブルの上には書き殴られては丸められた紙の山とボールペン。アッチと2人でバイトが終わってからずっとサッカーの話で盛り上がってた。
 「最初は5バックにして失点抑えた方が絶対良いですよ」
 「5バックはやりすぎだろ、攻めないとサッカーじゃないって」
 チームのフォーメーションを考えてたんだけど、DF出身のアッチとFWの俺とでは全然意見が違う。何度も店員さんにもらったメモ用紙にシステムを書いては議論。けっこう2人とも熱くなってた。俺は取られても取り返す殴り合い的戦術が好きなんだけどね、アッチが好むのは失点を抑えてまずは引き分けでも良いから負けないサッカー。
 こないだお店で接客について仲良くなった男の子に、その子は草サッカーみたいな感じでチーム作ってやってるらしいんだけど、そのうち練習試合でもしようよって携帯教えたら速攻で電話がきて、じゃあ来週にでもお願いしますってことになった。だから慌ててフォーメーションなんかの話し合いってわけ。
 「ってかホントいきなりすぎますよ」アッチは同じセリフをもう十回ぐらい言ってる。
 「決まったものは仕方ないじゃん」俺は毎回同じ返答。
 サッカー経験者だし、一番背がデッカイから、俺はアッチをキャプテンに任命した。キャプテンってなんか大きいとイイじゃんね、俺はちっちゃいから。本人は嫌がってたけど、実際はまんざらでもないはず。言われたその日にキャプテンマーク選んでたし。
 「でも、とりあえず人数が足りてないですよね…」
 「ケイタが後輩連れてくるって言ってたけど、ワッタが来れないからな…グランド狭いし、10対10でやるしかないね」
 人数の問題はケイタが後輩を誘ってくれたおかげで解決しかけたんだけど、ワッタがバイトで来れないので、また振り出しに戻った。飲食店のバイトで土曜日に休みをもらうのは難しい。
 「相手のチームって強いんですか?」
 「なんか、部活でやってない高校生の集まりみたいな感じらしいよ」
 「意外と上手い奴とかいそうですよね」
 なんだかんだ議論しながらも、そうやって話してるのが楽しくてしょうがなかった。結局、フォーメーションは試合の日の気分で決めようってことになったんだけど。何のために長いこと話し合ったんだか…
 「やるからには絶対勝ちましょう!絶対強いですようちのチーム!」
 気持ちは一緒。絶対に負けたくない。根拠の無い自信みたいなモノもあったし、やるからにはやっぱりね、勝たないと。
 試合が決まったって聞いてみんなのテンションも上がりっぱなし。そしてついにアズレプは初めての試合に臨む。



★初試合に臨むアズレプに応援のワンクリックを〜★

 
 

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K・J・TAKE

Author:K・J・TAKE
実話から生まれた物語。
色んな奴らが集まって誕生したサッカーチーム『アズレプ』の愛と感動?の日々。

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