2005-09

第11話 『後半』

 「サイドバック上がりすぎ!もっと下がって!」ファールギリギリのスライディングでボールを奪ったユアサが大声で叫んだ。それでもマッチョとケンは、どうしても相手につられてポジションを前にとってしまう。
 中盤でボールが落ち着かず、クリアしてはまたボールを拾われて攻められる。完全に悪循環だった。何度も相手にシュートを許すが、ケンの一言で死に物狂いになったマサが、不恰好ながらなんとか、お手玉したり後ろに逸らしたりしながらも防いでくれてるおかげで失点こそ免れているが、それでも追加点を許すのは時間の問題。
 「上がりすぎだって!下がれ!!」ユアサがまた叫んだ瞬間、相手センターハーフからマッチョの裏のスペースにパスが出された。完全に裏を取られた。だが、そのボールを全速力で戻ってきたタクちゃんが奪取した。
 「ナイスカバー!」今度はアタルが叫んだ。
 ボールをキープして前を向いたタクちゃんはそのまま左サイドをドリブルで駆け上がる。長い手足を活かした大き目のストライド、ワンフェイントで簡単に相手を置き去りにしていく。
 逆サイドでフリーのケイタが手を上げてボールを要求したが、タクちゃんは止まらない。個人技だけで左サイドを深くまでエグッてからセンタリングを上げた。
 絶妙のタイミングで上げられたボールは中央で待つよっPへ。苦手ながらなんとかヘディングで競り合うよっP。
 よっPの頭に当ったボールはゴールには向かわず横にこぼれた。丁度走りこんでいた俺の目の前。左45度、最も得意な位置。俺は迷わず右足を振りぬいた。
 無回転で放たれたボールは、GKの上を越えてから急激に落ちてゴールに吸い込まれた。昔から何度も練習してるシュートだった。
 「ナイスシュート!」駆け寄ってきたよっPが飛びついて喜んだ。
 「イケるイケる、あと3点取るぞ!」アッチが叫んだ。
 「あと4点です」アッチの言葉にケイタがボソッと返す。
 その1点でアズレプは息を吹き返した。必死で守っては取り返したボールをなんとかしてタクちゃんにあずける。タクちゃんは何度も左サイドを駆け上がってはチャンスを作る。そのプレーがみんなを勇気付けた。
 だが、その後また1点を奪われ、惜しい場面は何度かあったものの、加点できぬまま試合は終了した。
 1−5、完敗だった。



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K・J・TAKE

Author:K・J・TAKE
実話から生まれた物語。
色んな奴らが集まって誕生したサッカーチーム『アズレプ』の愛と感動?の日々。

初小説ですけど頑張って書いていこうと思います!
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