2005-09

第12話 『顔を上げて前を向く』

 泣きそうなぐらい悔しかった。
 試合終了後に相手チームのトコに行って、キャプテンのミヤタ君に挨拶。近いうちにまた試合をしましょうと再戦の約束をして握手を交わした。ファンタジスタは良いチームだった。試合中は激しいプレーで熱くなったりもしたけど、試合が終わればキチンと挨拶もしてくれたし、サッカーが好きな奴らの集まりって感じ。ホントにまたこのチームと試合したいなって心からそう思った。
 アズレプの面々はそれぞれに悔しそうな顔、何とも言えない重たい空気に包まれていた。初めての試合とはいえ、1−5の惨敗。
 「お疲れ…」何か言おうと思ったんだけど、それしか言えなかった。
 「もっと練習して、次は勝ちましょう…絶対」ケイタの言葉にみんな頷いた。
 初心者も経験者も関係なく、誰もが本気で悔しがってる。もっと上手くなりたい、もっと良いサッカーをしたいって、そんな顔をしてる。誰かのミスを責めるでもなく、自分自信がもっとってね。そんな姿を見て俺は確信した。
 このチームは強くなる。

 次の日のバイトは最悪だった。日曜日なだけにそれなりに店は混んでて忙しく、筋肉痛で体のいたるところが悲鳴を上げてた。子供の頃は日が暮れるまで遊びまわっても、次の日にはケロッとしてまた遊びまわってたってのに。
 暇をみつけてはみんながサッカーコーナーに現れ、昨日の試合の話やどうすれば強くなるかなんて事を話し合って、まるでミーティングルーム。ここは職場だってのに。
 「なにしていいか分かんなくてさ、ただ前の方でフラフラしてただけだったよ…」よっPは何も出来なかった自分の不甲斐なさをそう言って悔しがり、FWってどう動けばいいのかとか、家で暇なときにできる練習ってなんかないかとか、質問が浮かぶ度に何度もケイタや俺に聞きに来た。
 「まずはポジションを固定しましょう、あとはやっぱり基礎ですね」昨日の敗戦から、アッチはしっかりとポジションを決めて練習することを提案。確かに、まずは自分のポジションの動きに慣れることが必要だ。
 「みんな本気で悔しがってますよね、なんかイイですよね」そう言ってケイタは嬉しそうな顔をした。朝から1番悔しそうにしてるのはケイタだってのに。
 「昨日はホント悔しくて…あの後、兄ちゃんと夜中に家の前で練習してました」あきらかにケンは寝不足の顔。そういえばマサも朝からグッタリとした顔をしてた。
 疲れてたけど、なんだか嬉しくてワクワクしてた。これからのことを考えると最高の気分。お客さんにちょっと高めのスパイクを勧めながら、頭の中はサッカーのことでいっぱいだった。
 バルセロナのレプリカゲームシャツを見ていたお客さんに声をかけて話してるときに、フッと思ったんだよね。これから1番最初にまずやらなきゃいけないこと…ってかやりたいこと。
 ユニフォームを作ろう!!



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K・J・TAKE

Author:K・J・TAKE
実話から生まれた物語。
色んな奴らが集まって誕生したサッカーチーム『アズレプ』の愛と感動?の日々。

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