2005-09

第13話 『ウサギの正装』

 アッズッロって名前を背負ったからには、ユニフォームの色はもう決まってる。真っ先に思いついたのはイタリア代表、アッズーリのユニフォーム。プーマのそれはバッジョが代表最後の試合で着た、俺にとって特別なモノ。インテルのユニフォームも捨てがたい。1番好きなチームだし、デザインもカッコイイ。
 「俺はコレがイイです」そう言ってケイタが手に取ったのはレアルの03-04シーズンAWAY、アディダスの紺色のユニフォーム。しっとりとした肌触りで着心地の良さそうなやつ。
 ケイタも俺もニヤニヤしながら選んでいたんだけど、ユニフォーム代に名前と番号のマーキング代、パンツとソックスも揃えると…けっこうな金額になる。フリーターで、ある程度収入のある連中はイイとして、学生には辛い額。もっと安いの探さないと…
 
 ソレを見つけたのはケイタだった。旧品の値下げで倉庫から商品を引っ張り出してるときに偶然発見して、走って売り場にいる俺のトコまで持ってきた。
 JOMAのユニフォームセット。シャツにパンツ、ソックスまでセットになって驚きのプライス。
 「ヤバいなそれ、あの頃のアルゼンチンっぽいじゃん」レプリカってわけじゃないんだけど、マラドーナの頃のアルゼンチンそっくりなデザイン。
 「すげぇ、カッコイイですよね」ケイタもかなり気に入っている様子だった。
 よっPにアッチ、ケンもマサもそれを見て一発で気に入った。サッカー好きにとってそれはまさに神の正装。それでいて値段も安いんだから文句ナシ。
 「マジでかっこいいですね!俺、似合うかな、ちょっと着てみていいですか?」ユニフォームを持ってフィッティングルームに入ろうとするマサにみんなの視線が集まった。
 「…ってかさ、マサは似合わなくても関係ないじゃん。キーパーなんだから」よっPに言われてマサは驚いた顔。ホントに気付いてなかったみたいだ。
 「いや、でも…あの…みんなと同じじゃダメ?」
 「うん、ダメ」
 けっきょく、マサはとりあえず一度それを着てみてからGK用のユニフォームを探し始めた。試着したものの、そのユニフォームが全く似合わなくてみんなに大笑いされ、半分イジケた顔で。
 アッズッロってのは確か濃い青色のことだったと思うんだけど、多少薄くて縦縞だっていいじゃないか。勝手な言い分で自分を納得させて、そのユニフォームを試着してみた。
 安いわりに着心地も悪くないし、なんだか着ただけで上手くなったような気分。順番にみんな試着してみて完全に決定した。こいつがウサギの正装だ。



★たくさんのコメント感謝しております。ホント嬉しいです★
☆CLも始まったので夜な夜な頑張って書いております☆

 
 

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