第32話 『歓喜の輪』
相手チームからヘラヘラとした余裕の笑みが消えた。格下だと思っていたチームに2点差をつけられて、必死の形相で逆襲に出る。だが、流れは変わらない。
後半31分、アッチがボールを奪い、ケイタ、俺とつないで最後はまたもタクちゃん、ダメ押しの4点目。その1点が相手のモチベーションを完全に奪った。さらに終了間際、ユアサの直接FKが決まり5−1。
鳴り響く終了の笛、集まったウサギたちは大喜びで歓喜の輪を作る。遅れてカメもその輪に加わった。圧勝での初勝利。ホントに嬉しくてしょうがなかった。
「ありがとうございました」整列して礼をしながらも、喜びは抑えきれない。
「強いね〜、良いチームだし。今度うちとも試合しようよ」審判をやっていた人がそう言って握手を求めてきた。
「ここのチームじゃないんですか?」そういえば遅れてきたこの人は審判をずっとやってくれて、試合には出てこなかった。
「友達がいるから観に来ただけで、なんかモメそうだから審判したんだよね」そう言って笑った。上手く捌いてくれたから良かったけど、審判なしじゃもっとモメていたかもしれない。
「そうなんですか、ありがとうございます。是非、機会があれば練習試合したいですね」そう言って握手をし、連絡先を交換した。
アズレプベンチは大盛り上がりで興奮状態。アタルはしきりにキャノンだキャノンだとガキみたいに騒いで、ユアサとケンがそれを誉めて調子にのせる。
「ってかマッチョのパス最高だったな、良くあそこで切り替えしたな」俺が誉めるとマッチョは恥ずかしそうな顔をした。
「実はアレなんですよ…左足で蹴れないんで切り替えしたんですよ。切り替えしたけど、ロングボールも蹴れないんで…なにも考えずに中に蹴ったらタクちゃんがいたって感じなんですよね」
「マジかよ」それを聞いてみんな大笑い。冷静な判断だと思ったら実はテンパってたなんて、マッチョらしい。
「でも最高のパスでしたよ」ケイタにそう誉められてマッチョは嬉しそうに笑った。
荒れた試合ではあったけど、とにかく初勝利は最高だった。
「このままの勢いでもう1回ラプターズと試合したいですね」アッチの言葉にみんながみんな賛成の声。もうすぐ冬が来る、そのまえに借りは返さないとならない。
「ラプターズの前に借りを返さないといけない相手がいるだろ?」俺が言うとケイタだけが気が付いてニコッと笑った。
5−1の勝利は、1−5の敗戦を思い出させた。ファンタジスタに挑戦状…さぁ、ウサギの逆襲だ。

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後半31分、アッチがボールを奪い、ケイタ、俺とつないで最後はまたもタクちゃん、ダメ押しの4点目。その1点が相手のモチベーションを完全に奪った。さらに終了間際、ユアサの直接FKが決まり5−1。
鳴り響く終了の笛、集まったウサギたちは大喜びで歓喜の輪を作る。遅れてカメもその輪に加わった。圧勝での初勝利。ホントに嬉しくてしょうがなかった。
「ありがとうございました」整列して礼をしながらも、喜びは抑えきれない。
「強いね〜、良いチームだし。今度うちとも試合しようよ」審判をやっていた人がそう言って握手を求めてきた。
「ここのチームじゃないんですか?」そういえば遅れてきたこの人は審判をずっとやってくれて、試合には出てこなかった。
「友達がいるから観に来ただけで、なんかモメそうだから審判したんだよね」そう言って笑った。上手く捌いてくれたから良かったけど、審判なしじゃもっとモメていたかもしれない。
「そうなんですか、ありがとうございます。是非、機会があれば練習試合したいですね」そう言って握手をし、連絡先を交換した。
アズレプベンチは大盛り上がりで興奮状態。アタルはしきりにキャノンだキャノンだとガキみたいに騒いで、ユアサとケンがそれを誉めて調子にのせる。
「ってかマッチョのパス最高だったな、良くあそこで切り替えしたな」俺が誉めるとマッチョは恥ずかしそうな顔をした。
「実はアレなんですよ…左足で蹴れないんで切り替えしたんですよ。切り替えしたけど、ロングボールも蹴れないんで…なにも考えずに中に蹴ったらタクちゃんがいたって感じなんですよね」
「マジかよ」それを聞いてみんな大笑い。冷静な判断だと思ったら実はテンパってたなんて、マッチョらしい。
「でも最高のパスでしたよ」ケイタにそう誉められてマッチョは嬉しそうに笑った。
荒れた試合ではあったけど、とにかく初勝利は最高だった。
「このままの勢いでもう1回ラプターズと試合したいですね」アッチの言葉にみんながみんな賛成の声。もうすぐ冬が来る、そのまえに借りは返さないとならない。
「ラプターズの前に借りを返さないといけない相手がいるだろ?」俺が言うとケイタだけが気が付いてニコッと笑った。
5−1の勝利は、1−5の敗戦を思い出させた。ファンタジスタに挑戦状…さぁ、ウサギの逆襲だ。
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