第33話 『真夜中の決闘』
ファンタジスタは快く試合の申し込みを受けてくれた。向こうとしてもそろそろ試合がしたかったらしいので丁度良かったみたいだ。ただ、花咲のナイターが予約できなかったので、他の場所を探さなくてはならなくなった。
「夜じゃなくて昼間に試合してみたい」、「芝のグランドでサッカーしたい」なんてみんなが言うので、せっかくだからと思い、俺は当麻のグランド、日曜日の昼間で予約を入れてみた。相手は学生主体だからそれで日程的には大丈夫。冬の繁忙期前だから、アズレプのフリーターたちも事前に交渉しておけば休みを取れるだろう。何気にオーナーの仕事にも慣れてきた。
試合が決まって、ある日の夜、俺はケイタとケンを呼び出した。誰が1番強いか、それを決めるために。
ケンは気合の入った表情で現れた。自分が絶対1番強いと言い張っただけに、負けるわけにはいかないって表情。対してケイタは余裕の笑みを浮かべていた。そこには絶対の自信が見て取れる。
「誰が1番強いか決めようじゃないか…」
何の話かっていうとウィニングイレブンの話だ。前からウィイレ8で誰が1番強いかって話をしていてね、じゃ、実際やって決着をつけようってことになったわけ。こっちはファミコンの初代サッカーからサッカーゲームをやってんだ、高校生に負けるわけにはいかない。
「ケイタはマジで強そうだから、最初ケンと俺で勝負しようぜ」
「いいですよ、やりましょう」
第1試合はケンのミランVS俺のインテル、ミラノダービーだ。
「ウソ!?またオフサイドって!?」
ケンのシェフチェンコは俺の仕掛けるオフサイドトラップにハマリまくった。ケンの攻めはカカかピルロにボールが渡ると絶対にスルーパスを狙ってくるので読み易い。サイドから攻めるのが下手だし。
アドリアーノ、ビエリ、レコバが決めて3−0の圧勝。
「いや〜、シェフチェンコが調子悪いです…」1点も取れずにケンはヘコんでそう言った。
続いて第2戦はケンのミランVSケイタのレアル。
「ケイタには負けませんよ」そう言って挑んだケンだったけど、ロナウドに3点、ベッカムのFKで1点、ラウールにも入れられて5−0で大敗した。サイド攻撃を多用するケイタの攻撃にヤラッれぱなし。
「自分、もうアレです…雑魚です」ケンはどん底までヘコんだ。
「じゃあ、最強を決めるか…」そう言ってケイタと俺で勝負することになったけど、正直ケイタに勝てる気はしなかった。ケイタは余裕の顔だし。
インテルVSレアル。中盤をジダンとフィーゴ、ベッカムで作ってくるケイタだったけど、絶好調のMYダービッツがことごとくその攻撃を阻止した。
「なんか、そいつ邪魔ですね…」
「俺のダービッツは最高に…あっ!?」言いかけたところでベッカムが思いっきり後ろからダービッツにスライディング。ベッカムにはイエローカード、ダービッツは担架でピッチの外に運ばれていった。
「よし、イエローならOKです。これで邪魔者は消えました」そう言ってケイタはニヤリと笑った。なんて奴だ…ゲームになると完全に性格が変わりやがる。
ダービッツは怪我、仕方なく俺はカンビアッソと交代させた。ケイタはフィーゴが大好きらしく、右サイドからガンガン攻めてくる。でも俺のファバッリも負けてない。
先制点はアドリアーノ。ベロンからスタンコビッチ、ビエリとつないでシュート、GKが弾いたボールを押し込んだ。
「カシージャスなにやってんだよ…キャッチしろよ…」先に点を決められてケイタはボソッと愚痴をこぼした。
後半に入って、ベッカムのCKからロナウドが頭で合わせて同点。サイドをエグッたフィーゴのクロスをラウールが決めて逆転された。さすがにケイタは強い。だけど終了間際、試しにレコバでCKから直接狙ってみると、ボールはバーに当ってゴールに吸い込まれた。
「スゲェ!?狙ったんですか今の!?スゲェ…」このゴールにはケイタも驚いて声を上げた。確かに狙いはしたけど、まさか入るとは思わなかった。
そしてロスタイム。FKをチップキックでベロンが軽く蹴ったボール、アドリアーノが後頭部で強烈なヘディングを決めてインテルが3−2で競り勝った。
「今のヘディングは有り得ないですよ!ないですよあんなの…」気味の悪いヘディングで敗れて、ケイタは思いっきり不機嫌になった。
いつのまにかベッドではケンが寝息を立てて、時間は朝の5時。俺とケイタはもう何時間もずっとゲームの虜。ミラノダービー、イタリアダービー、マンチェスターダービー、ロンドンダービー、何試合ぐらいしたんだろう?レアルVSインテルだけでも5試合ぐらいやった気がする。
「よし、そろそろ終わるか?」
「あと1試合やりましょう!」ケイタの負けでは終われない。かといって俺も負けで終わるのは嫌だから、延々と勝負は続く。
けっきょく朝の7時ぐらいまで2人でゲームをし続けた。トータルの勝敗はよく憶えてないけど、最後の試合は同点、PK戦でケイタが勝った。ホントは勝って終わりたかったけど…
負けず嫌いで初めて負けた。

★そんなアズレプですが応援よろしくです★
「夜じゃなくて昼間に試合してみたい」、「芝のグランドでサッカーしたい」なんてみんなが言うので、せっかくだからと思い、俺は当麻のグランド、日曜日の昼間で予約を入れてみた。相手は学生主体だからそれで日程的には大丈夫。冬の繁忙期前だから、アズレプのフリーターたちも事前に交渉しておけば休みを取れるだろう。何気にオーナーの仕事にも慣れてきた。
試合が決まって、ある日の夜、俺はケイタとケンを呼び出した。誰が1番強いか、それを決めるために。
ケンは気合の入った表情で現れた。自分が絶対1番強いと言い張っただけに、負けるわけにはいかないって表情。対してケイタは余裕の笑みを浮かべていた。そこには絶対の自信が見て取れる。
「誰が1番強いか決めようじゃないか…」
何の話かっていうとウィニングイレブンの話だ。前からウィイレ8で誰が1番強いかって話をしていてね、じゃ、実際やって決着をつけようってことになったわけ。こっちはファミコンの初代サッカーからサッカーゲームをやってんだ、高校生に負けるわけにはいかない。
「ケイタはマジで強そうだから、最初ケンと俺で勝負しようぜ」
「いいですよ、やりましょう」
第1試合はケンのミランVS俺のインテル、ミラノダービーだ。
「ウソ!?またオフサイドって!?」
ケンのシェフチェンコは俺の仕掛けるオフサイドトラップにハマリまくった。ケンの攻めはカカかピルロにボールが渡ると絶対にスルーパスを狙ってくるので読み易い。サイドから攻めるのが下手だし。
アドリアーノ、ビエリ、レコバが決めて3−0の圧勝。
「いや〜、シェフチェンコが調子悪いです…」1点も取れずにケンはヘコんでそう言った。
続いて第2戦はケンのミランVSケイタのレアル。
「ケイタには負けませんよ」そう言って挑んだケンだったけど、ロナウドに3点、ベッカムのFKで1点、ラウールにも入れられて5−0で大敗した。サイド攻撃を多用するケイタの攻撃にヤラッれぱなし。
「自分、もうアレです…雑魚です」ケンはどん底までヘコんだ。
「じゃあ、最強を決めるか…」そう言ってケイタと俺で勝負することになったけど、正直ケイタに勝てる気はしなかった。ケイタは余裕の顔だし。
インテルVSレアル。中盤をジダンとフィーゴ、ベッカムで作ってくるケイタだったけど、絶好調のMYダービッツがことごとくその攻撃を阻止した。
「なんか、そいつ邪魔ですね…」
「俺のダービッツは最高に…あっ!?」言いかけたところでベッカムが思いっきり後ろからダービッツにスライディング。ベッカムにはイエローカード、ダービッツは担架でピッチの外に運ばれていった。
「よし、イエローならOKです。これで邪魔者は消えました」そう言ってケイタはニヤリと笑った。なんて奴だ…ゲームになると完全に性格が変わりやがる。
ダービッツは怪我、仕方なく俺はカンビアッソと交代させた。ケイタはフィーゴが大好きらしく、右サイドからガンガン攻めてくる。でも俺のファバッリも負けてない。
先制点はアドリアーノ。ベロンからスタンコビッチ、ビエリとつないでシュート、GKが弾いたボールを押し込んだ。
「カシージャスなにやってんだよ…キャッチしろよ…」先に点を決められてケイタはボソッと愚痴をこぼした。
後半に入って、ベッカムのCKからロナウドが頭で合わせて同点。サイドをエグッたフィーゴのクロスをラウールが決めて逆転された。さすがにケイタは強い。だけど終了間際、試しにレコバでCKから直接狙ってみると、ボールはバーに当ってゴールに吸い込まれた。
「スゲェ!?狙ったんですか今の!?スゲェ…」このゴールにはケイタも驚いて声を上げた。確かに狙いはしたけど、まさか入るとは思わなかった。
そしてロスタイム。FKをチップキックでベロンが軽く蹴ったボール、アドリアーノが後頭部で強烈なヘディングを決めてインテルが3−2で競り勝った。
「今のヘディングは有り得ないですよ!ないですよあんなの…」気味の悪いヘディングで敗れて、ケイタは思いっきり不機嫌になった。
いつのまにかベッドではケンが寝息を立てて、時間は朝の5時。俺とケイタはもう何時間もずっとゲームの虜。ミラノダービー、イタリアダービー、マンチェスターダービー、ロンドンダービー、何試合ぐらいしたんだろう?レアルVSインテルだけでも5試合ぐらいやった気がする。
「よし、そろそろ終わるか?」
「あと1試合やりましょう!」ケイタの負けでは終われない。かといって俺も負けで終わるのは嫌だから、延々と勝負は続く。
けっきょく朝の7時ぐらいまで2人でゲームをし続けた。トータルの勝敗はよく憶えてないけど、最後の試合は同点、PK戦でケイタが勝った。ホントは勝って終わりたかったけど…
負けず嫌いで初めて負けた。
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